【愛知県半田市】ごんぎつねの故郷をふらふらしてきた【女一人旅】
「ごんぎつね」という物語を知っているだろうか?
小学校の教科書にも必ず載っているあの物語である。私がこの物語を知ったのは保育園に行っていたときである。親に誕生日プレゼントとして買ってもらったのがきっかけだ。子ども心になんて悲しいお話なのだろうと涙したのを今でも覚えている。
その後、年長だった歳のお遊戯会で「ごんぎつね」の劇をやった。私はごん役で、ラストの悲しい場面をたぐいまれない演技力で演じきり、観客の涙を誘ったとか。思えば4年生だった時に「ごんぎつね」の場面を選んで版画も制作した。大人になってからも職業柄「ごんぎつね」の話は何度も何度も読んできた。そしてそのたびに涙をこらえてきたのだ。
そんな私にとって思い出深い「ごんぎつね」という物語、その作者、新見南吉の故郷が、実は愛知県の半田市というところにあります。ということで、休職したしやりたいことをやろうということで「手袋を買いに」や「おじいさんのランプ」など「ごんぎつね」以外にも数々の名作を生んだ児童文学作家新見南吉の故郷半田市に行ってきました。
新見南吉の家(養子先)
まず初めに行ったのがここです。新見南吉は小学二年生の時に、祖母の養子になっています。その時に住んでいた家です。今回は外観だけでしたが、事前に予約をすれば中も見学ができるそうです。電話しとけば良かったなと思います。茅葺屋根で質素な家です。
新見南吉の生家
次に行ったのが新見南吉の生家の方です。ここはいつでも見学ができるようになっています。中はこんな感じ。
継母が下駄屋、父が畳屋をしていたそうで、当時の様子が再現されています。ちょっとした観光案内所みたいになっていて、半田市の観光マップなんかも手に入れることができます。ここで南吉が育ったんですねぇ。彼の作品の素朴さや温かみというのはここで培ったのかもしれません。私が行った時も何人か観光客がいて、案外賑やかでした。
半田赤レンガ建物
このまま新見南吉記念館に行こうと思ったのですが駐車場が混んでいたので先にこっちに来ました。赤いレンガが鮮やかですね。明治時代に「カブトビール」の製造工場として作られた建物です。カブトビールというのは明治に四大ビールメーカー(アサヒ・サッポロ・キリン・エビス)に果敢に挑戦したビールです。パリ万博にも出品され、金賞を受賞し地方のビール会社ながら日本中の人々に親しまれました。
なんだか横浜にある赤レンガ倉庫に似てる!!と思ったのですが、そのはず、設計をしたのが、妻木頼黄(つまきよりなか)という人で、横浜赤レンガ倉庫も設計した人です。他にも日本橋の装飾なんかもしている凄い人です。
中は展示スペースとちょっとしたお土産屋さん、そしておしゃれなカフェスペースになっています。(中では復刻したカブトビールが飲めちゃいます)
車で来たので残念ながら飲めませんでしたが、お土産でも売っています。展示も写真撮影が禁止でお見せできませんが、当時の街並みが少し再現されていたり、看板などが飾ってあったりとても見ごたえのあるものでした。
こんなインスタ映えスポットもあります!!衣装を着て撮影ができます。女一人できて店員さんに撮影を頼むのは何とも言えない気分です。
新見南吉記念館
最後に、新見南吉記念館に来ました!やっとこれた!!もう中が凄い。
もうなんかいろいろ泣きそうでした。小さい記念館なのですが、新見南吉作品の世界観が再現されていてとてもよかったです。物語のジオラマがかわいらしかった他にも、生原稿などもあり充実した展示でした。
階段にキツネちゃんの足跡があるのもとってもかわいいです。わくわくします。企画展なんかも定期的にしているそうなのでまた行ってみたいです。今回は新見南吉の作品も多く掲載された「赤い鳥」という雑誌の企画展がなされており、北原白秋の書評なんか読んでて面白かったです。南吉の詩も数点載っていて、詩のイメージがなかったので新鮮でした。
外に出ると…
こ れ は ・・・!!!
あ~~~~もう最高ですね。
さて、なぜ今この9月の終わりという時期に半田に来たかというと…
矢勝川堤の彼岸花
彼岸花です!!毎年9月中旬から10月上旬にかけて新見南吉記念館の向かい側にも流れている矢勝川堤東西1・5㎞にわたり300万本の彼岸花が咲きます!その様子たるや圧巻です。すごく綺麗で幻想的でした。ちなみに矢勝川はごんがうなぎを盗んだ川です。
白い彼岸花もありました。私が行ったときはまだ蕾のものも多くありましたが、満開になると真っ赤な絨毯のようになるそうです。毎年ごんの秋まつりというのも開催されるそうですよ~!!
ごんぎつねの湯
旅の最後に温泉に行ってきました。その名もごんぎつねの湯です!
凄く良かったです。まずお湯がめっちゃつるつるしてます。とぅるんとぅるんです。露天ぶろやサウナもあって気持ちよかったです。中にはちょっとした休憩スペース兼食堂もあり、
きつねうどんを食べてきました。おばちゃんがやさしくて、うどんもおいしかったです。休憩スペースには漫画がたくさんあるのですが、そのチョイスが昭和感満載で面白かったです。