休職して暇なので読書 森見登美彦『ペンギン*ハイウェイ』
森見登美彦という作家を知っているだろうか。
「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」などといった小説を書いた作家である。
森見さんの作品に出会ったのは私が高校生であった時である。
きっかけは所謂ジャケ買いというものだ。アジカンのジャケットなどを手掛けるイラストレーターの中村佑介さんのイラストが描かれた「夜は短し歩けよ乙女」が本屋で平積みにされていたのを見て、思わず買ってしまったのだ。
読んでみるとなるほど面白い。京都を舞台に腐れ大学生が情けなくも果敢に奔走する姿は、滑稽で面白かった。また、森見さんの独特な文体は高校生だった私の脳みそにまで侵略し、その思考のほとんどを森見文体の影響を大いに受けてするようになってしまった。
さて、長くなりそうなので前置きはこの辺にしておき、「ペンギン*ハイウェイ」の話である。
この作品、森見作品の中で何やかんや読んでいなかったのだ。一度読む機会を逃してしまうと不思議なことで人間なかなか読もうとしないのである。そうしてうだうだと今に至る訳だったが、公開したのである。アニメーション映画が。
しかも監督が、「フミコの告白」の人ではないか。
(フミコの告白とは10年くらい前にニコニコ動画を騒がせたアニメーションである。是非見て欲しい。)
「フミコの告白」Fumiko's Confession - YouTube
これは見るしかないということで私は映画館に走ったのである。
映画は素晴らしかった。主人公アオヤマ君と謎の多いお姉さんの関係性といい、おっぱいといいペンギンの可愛らしさといい100点だった。そして、フミコの告白もそうだが疾走感が素晴らしかった。
そうなるとどうしてもこう思ってしまう。何故原作を読んでいないのか。あれほどに森見ファンを自称し、大学生だった頃にたまたま生協企画の講演会があった時には、申し込みが始まった日に走ったのに。ということで、ペンギン*ハイウェイを近所の本屋に買いに走った。
折角休職したのだ。読書にでも勤しもうと。
読むのはあっという間だった。やはり面白いのだ。森見さんの文章は独特ではあるが、ハマると読みやすい。読んでみて、映画は非常に忠実に小説の世界観を表現していると感じた。小説は結構想像力が必要なものだった。多分先に小説を読んでいたのなら、難しいという感想をまずもったであろう。
しかし、映画を先に見た分そこは難が無かった。そして、映画では描かれていなかった部分が知れて大変満足のいくものだった。
休職する前は、読書がなかなできていなかった。子どもの頃貪るように本を読んだ。本を借りた数を常に一人で競っていた。しかし、働くようになって本が読めなくなった。
折角休職できたのだ。思う存分読書を楽しもう。
ペンギン*ハイウェイ、おススメです。
映画もまた見たい。
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